医者が来て、シュウを診察して言った。



「うん、もう大丈夫。暫く動けないと思うけど早く退院する為だからね」



そして医者はそう告げると嬉しそうな顔をして、病室を出て行く。



「俺ってついてないよね?」


「いーの。助かったんだから…。有り難く思いなさい!」


「…うん」


「…携帯の番号、残してくれてたんだね」


「あ、消すの忘れてた」



やっぱり、そんな事だと思った…。


でも



「ねぇ倫子さん…。寝るからちょっと手…握ってて…?」


「…うん」



私はドキドキしながら、シュウの手を握った。