「大丈夫ですよ」



そう言って医者は優しく微笑むと、シュウが思った以上に出血が多かった事と、輸血などの処置についての説明をした。



「はい、分かりました…」


「あっ、それからICUにはずっと入っている事は出来ません。親族室の方で待っていて貰えますか?何かあったら呼びますから」


「は…い…。お願いします」



私はトボトボと歩いて待ち合い室に行き、座り込んだ。


こんな時、シュウの側にいる事さえ出来ないなんて……。



待ち合い室の時計の音が不安にさせる。


飾ってある千羽鶴が、シュウが本当に危険な状態だと教えてくれる。






早川さんに電話しなきゃ……