私は思わず席を立った。


今、この席を離れる理由を考えて…



「ごめんなさい。シュウが…シュウが熱を出してて、今1人なんですっ…」


「シュウくんが?そんなに酷いの…?」


「はい、来る時40度くらいあって…」



早川さんに対する罪悪感でいっぱいになって、
私の声は小さく震えていた。



「シュウって…?」


「倫子の弟だよ。いいよ、倫子行っておいで」


「いい…ですか?」


「私達の事なら気にしなくていいのよ?無理して来て貰ったみたいで、ごめんなさいね」


「すみません」



私は頭を深く下げて、レストランを飛び出した。