「うん。じゃあそろそろ戻ろうか?」


「はい」



事務所に戻ると、カンナがニコニコしながら私の席へと来た。



「本当に仲いいねぇ!」


「そんな事ないよ…」


「またまたぁ!あ~ぁ、倫子も近々結婚かぁ」



カンナの大きな声に、皆が一斉に注目する。



「……」



まだ、そんなんじゃないのに…。


そんなんじゃないのに、周りばかりがヒートアップする…。


何でいつもこうなの?



「人を羨んでないで、アンタも結婚すれば?」



そう言ったのは紗香だった。



「何よ!アンタだって行き遅れの癖に!!」