オーダーを済ませると、私は早川さんの話しには上の空で、
シュウの席から聞こえて来る話し声や笑い声が、気になって仕方なかった…。


あんな風に楽しそうなシュウ、家では見た事ない…。


ううん、一度だけ。


紗香がうちに来た時は楽しそうだった。



本当は恋愛対象以前に、私といるのが嫌なのかな…。



何だか凄く悲しくなった…。



「神田さん、聞いてる?」


「あっ、すみませんっ」



―ガシャン



早川さんの声に私はビクッとして、出された水を肘で落としてしまった。


シュウの視線を感じる。




シュウにバレちゃった……。