高…木…様?


ウェイターの言葉に振り向いて見ると、
女の人は大きい花束を抱えて、凄く嬉しそうな、幸せそうな顔をして言った。



「コウ、ありがとう!」


「いいんだ、これくらい」



青木じゃなくて、
高木だったの…?


私、二股所か名前迄騙されてたなんて…。


私…バカだ……。



シュウが言った。



「倫子さん、出よう」



私は笑って首を横に振った。



「…何で?」


「せっかく来たのに勿体ないじゃない。それに…ここを出ると逃げるみたいで悔しいっ…。あんたなんか好きじゃなかったのよって態度…私に出来るかなぁ…?」