少しの時間電車に揺られ、降りるとシュウの隣を歩く。
シュウは何軒かあった吉野家の前を素通りした。



「ねぇ、どこの吉野家に行くの?」


「もうすぐ着くよ」


「もうすぐって…」



この辺は高級ホテルばかりで、吉野家なんかあったっけ…?


私は吉野家を探しながら、キョロキョロと歩いていると、シュウが立ち止まって言った。



「ここ」



シュウの視線の先には、
青木さんと誕生日祝いをする予定だった、○○ホテルがあった…。



「ここって…」



ちょっと待ってよ…。
私、こんな高いホテルのレストランで御飯食べる程お金持ってない。