「ごめんね…」
彼の口癖。いつもそう。
「大丈夫だよ。」
私は強がって魅せる。

1人取り残されたラブホテル。
彼が着ていたバスローブの香り。

「行かないで」

…言いたい、言えない、言ってはいけない。

バスローブに袖を通してみる。

一筋の涙が溢れた。

私はバスローブを抱きしめて、静かに泣いた。