ごめんなさい。


あなたもいっぱいいっぱいで、


あの言葉が本心でないと分かっていたのに。


だけどもあの瞬間、私を疑うような言葉に心が防御して反抗した。


より・・・・相手を傷つける言葉を選んで。







「・・・・・・こんな時でも・・・・・千麻ちゃんは茜を庇うんだね・・・」


「・・・・」


「こんな風にボロボロになるような事を言われたんだろうに、・・・・・・・まるで自分が悪いみたいに・・・・・」




雛華さんの言葉にゆっくりと顔を上げれば、絡む柔らかい緑。


そして困ったような微笑み。


馬鹿だなぁ。


そんな風に、非難じゃなくて茶化すように。


そして伸びた手が私の頭をくしゃりと撫でる。



「髪・・・・伸びたね・・・」


「・・・・」


「茜が言ってた・・・・・・髪の長い千麻ちゃんが可愛いって、」


「・・・・・邪魔です・・・」


「でも・・・伸ばしてる」


「・・・・・」


「伸びていく髪の長さが・・・積み重ねてきた日々と愛情みたいだね・・・」


「・・・・詩人ですね」



思わず小さく笑った口元。


それにつられるように雛華さんがクスリと笑って、ゆっくり動きを見せると私の隣に座った。


そして背中を滑って私の頭に触れると引き寄せる。


トンと頭が雛華さんの肩に預けるような形になる。


一瞬どういう意図かと自分で思考し、でもすぐに見上げてグリーンに尋ねる。


返されるのは穏やかな笑み。



「まぁ、少しは・・・・茜に雰囲気似てるでしょ?」


「はぁ・・・」


「だから・・・・肩でも膝でも貸すから少し休みなよ」


「・・・・」


「・・・・・人を愛するって・・・・信じられないくらいパワーが必要なんだ。・・・・だから・・時々はその気持ちにも休息を入れるべきなんだよ」


「・・・・やっぱり・・・詩人ですね・・・」



いえ・・・カウンセラーみたい。


雛華さんの熱や声や緑はいつだって自然そのもので、純粋だから頑なな心も絆される。


力を抜いてもいいのかもしれないと。


身を預けている間くらいは重荷になりつつあった愛情を下してもいいのかと。


それを許すかのように頭を撫でてくる雛華さんの手が優しくて涙が零れる。






ねぇ、


愛してるのよ?


ダーリン・・・。