呼吸をすることも忘れてその感覚に溺れそうで。


隙間なく自分を埋められ、更にグッと押し上げられればゾクリと感じて目を閉じた。


そして思い出したようにゆっくり息を吐き出して目を開ける。


彼の肩に顔を寄せるように抱きしめて、まずは彼の存在の再確認していれば。



「・・・・・・・ヤバい」


「・・・・・はい?」


「・・・・・・・・・・ヤバいです」


「だから・・・何がですか?」



ぽつりと同じ言葉を繰り返す彼に意味が分からないと非難する声を響かせれば、しばらく私に密着し頭の横に顔を埋めていた彼がのそりと体を起こして切なげに見下ろしてくる。


まさか今更気まずくなったとか言い出すんだろうかと一瞬の懸念。


でも彼の口からこぼれるのは欲求。



「予想以上に気持ちよすぎる。・・・・・・【甘さ】より【激しさ】重視でしちゃっていい?」



一瞬その要求に呆気にとられて見つめ返し、その間も『早く早く』と返事を待ってソワソワしている彼に小さく噴き出し口元を覆った。



「何で笑うかな・・・」


[いえ、そんなに私の試供が良かったのかと、」


「良すぎで欲情しすぎて理性吹っ飛びそう」


「・・・・・一応、・・・忠告」


「・・・何?」


「私・・・生半可じゃ満足しませんから」


「・・・・」


「全部・・受け入れます・・・」


「うん・・・」


「だから・・・・・・、

溺れて、浸って・・・・壊すほど愛して」





この一瞬は、


本当の夫婦より深く強く、私たちの夫婦関係であるからこそ出来るのだと言えるほど。





私の言葉にグリーンが綺麗に揺れて笑う。



返されたのは言葉よりも正直な欲求のままの刺激。


確かに激しく。


でも乱暴じゃない。


雑でもなく、他の肌にも満遍無く彼の吐息交じりの愛撫を受けて。




自分でも驚く。





痛くも、悲しくもない。






ただ、あまりの快楽と悦楽に涙がジワリと浮かぶとほろりと頬を滑り落ちた。



深く浅く繰り返される律動に面しているシーツが乱れて皺を広げ、そこに力なく落ちていた手に彼の指先が絡んで握る。



「あっ・・あっ・・んっーーーーーーーー

だ・・め・・・気持ち・・よすぎ・・・」


「・・・っ・・知ってる・・・どんどん、濡れて絡んで貪欲だから・・・千麻ちゃんの体」



すべて理解しているように微笑んで、更に欲を煽ろうと私を乱す姿にこの体は従順だ。