「………私が車酔いするって、覚えててくれたんですね」






おもわず、思ったままを口に出してしまうと、先生が気まずそうに目を逸らしました。






「あぁ、まぁ、な……」







先生は頬をぽり、とかいて、「また後で」と立ち去っていきました。






先生が、私のちょっとした話を覚えてくれていたということが、自分でも驚くほどに嬉しくて。





私はどきどきする胸を押さえながら、新幹線の時間を待ちました。