しばらくして、ぱたぱたという足音とともに、長い髪をなびかせた女子生徒が飛び出してきました。




両手を当てた頬が、少し赤くなっているようでした。




でも、大きな瞳には、悲しみの色が浮かんでいました。






そのあと、先生が、ゆっくりとした足取りで出てきました。




その顔は、少し眉間に皺が寄っていて、疲れた色をしています。






―――何があったのか、なんとなく、分かりました。




きっと、あの女子生徒に呼び出され、想いを告白されたのでしょう。





藤森先生に特別な想いを寄せている女の子は、少なくありません。




それが抑えきれなくなって、本人に想いをぶつける子も、時々いるようです。