「だめですよ、先生……。


ちゃんと、朝ごはん、食べないと。


元気が出ませんよ」






控えめながらもはっきりとした口調で、じっと俺を見つめながら諭す春川。




生徒から生活指導をされるなんて、我ながら情けないことこの上ない。




俺は殊勝に「そうだよなぁ」と頷いた。






「でもなぁ、朝って、どうにも食う気が起こらなくてな。


時間に余裕もないし、買いに出るのも面倒だし、まぁ前の晩に買っとけばいいんだけど、それもなぁ………」






俺がもごもごと言い訳をしている間、春川は静かな瞳でじっと俺を見上げていた。





そして、唇をそっと開いて、






「………じゃあ、………


朝ごはん………うちで、食べて行きますか………?」