私はいつも朝、みんなより少しだけ早く登校します。






朝の電車はたいてい、うちの高校の生徒で満員。




一度、気分が悪くなってしまったので、それ以来、ひとが少ない時間の電車に乗るようにしているのです。






今日も私は、ほとんどひと気のない駅からの道を、とぼとぼと歩きました。




校門に入り、生徒玄関に向かおうとしたところで、私はふと足をとめました。






―――藤森先生の背中が、体育倉庫の陰に消えていくのが見えたのです。






私は思わず、その場に佇んでしまいました。




先生が再び現れるまで。