「…えええぇ!?」

ふたりが声をそろえて奇声を発する。
まぁそりゃあそうか。


両思いだったら付き合わない理由なんてないもんね。
でもこれにもめんどくさい訳があるんだよね。




「あのね、そのとき、まだわたし、
…恋したことなくて。それが恋なんだって気づかなくて、小宮くんも勇気出して言ってくれたのに、断っちゃったの。」


そういって思わず立って聞くあーちゃんたちを見上げた。
ふたりはもどかしそうな微妙な顔をしている。 


「そ、そうなのか。麻耶ちゃんは大変だなぁ。私だったら、恋が何かわからなくても、絶対OKしてるよー。」

あーちゃんが渋い顔をしてそういった。 そんな顔もまたかわいい。

しーが珍しく言葉を発さないので、
しーをチラッと見てみる。


しーもまた渋い顔。
そして、また、恐ろしいことを言った。