…そう、わたしと小宮くんが出会ったのは、小5の夏だったかな。

体が弱くて、プールサイドに座っていた私に、水しぶきが飛んだ。
「つめたー。。」
しょせんプールサイドだもん。飛ぶのは当たり前だよね。

ーーバシャシャっっ。
チャプ、チャプ。

あれ?影が。天気悪くなったのかな?
そう思いながら、上を見上げると、タオルを持って申し訳なさそうな顔をしている、当時は同じクラスだった、小宮くん。
「ごめん!濡れたよね!ふく!」
…あ。ほんとだ。
私の着ている、紺と白のボーダーのワンピースは真ん中あたりが色が一目でわかるくらいに濡れていた。でも、せっかく楽しいプールの時間だし!

「いいよ!気にしないで!
これくらいふけるしね!ありがと。」 
…優しいなぁ。普通だったらこんなこと言ってくれるはずもない。

「そっか。
じゃあこれ使って!」

そう言い、ぽいっと私の膝に落としたのは、小宮くんのタオル。どこまでも優しい。。 

「あ、ありがとうっ!」

私が噛みながら返事をすると、
小宮くんは無邪気な笑顔をにかっとかえしてくれた。