声にもならない叫び声をあげながら。


「うわああああああああああああああああ」


いつも元気な英梨を見ているだけに、こんなにぼろぼろになった英梨を直視することができなかった。


叫び声を聞くだけで、心が痛くなった。


「英梨、もう頑張らなくて…いいんだよ?」


綾香は英梨の背中をなでながら、そう言った。


英梨は血だらけになったこぶしの力を緩めた。


「お祭り…行こう」


英梨が口を開いた。私と綾香は驚いた。


「お祭り…行こうじゃん!」


英梨は、涙でメイクがぐしゃぐしゃになった顔で微笑んだ。


私たちまで泣かせたから、気遣って、無理して笑ってた。


いつもの笑い方じゃなくて、どことなくぎこちなかった。