透ピをはずして、フープピアスをつけた。


少し、大人っぽいかも、なんて思った。


♪~


ベッドの上で、携帯が鳴っている。


今度は誰だろう?


『綾香だけどさ、今すぐ出て来て!


 急用あるから、ついてきてくんない?!


 パンダ公園で待ってるから!絶対来て!』


「えっ…」


何もいえないまま電話を切られてしまった。


今すぐ…?急用…?何だろう…


心なしか、鼻のつまった声だったような…


私は急いで小花柄シフォンワンピとデニムベストに着替え、携帯と財布だけ持って1階へ降りた。


「お母さん、いきなりだけどちょっと出てくる。


 すぐ帰ってくるから!お昼の用意はしなくていい」


黒いミュールをはいて、パンダ公園までダッシュした。