むくりと起き上がって、前買ってもらったお気に入りの白い鏡台の前に移動した。


引き出しの中には、ヘアアクセやピアスを入れている。


A型だから、きちんと仕切りを作って丁寧に入れた。


ピアスは、シンプルなシルバーのフープタイプにしよう。


ピアスを取ろうとした瞬間、左手足ががくがくと小刻みに震えだした。


「えっ・・・?!何・・・怖いよ・・・」


しばらくすると、震えは止まった。


私はそのことより、お祭りの楽しみのほうが大きかったので、気にしなかった。


そのとき私は、自分の身に起こる恐怖を知らなかったんだ─…。