やっぱり、甚平も似合ってるなぁ…


見惚れていると、急に視界が屋台から花火へと移り、私は地面に倒れこんだ。


え…?何が起きたの…?


綾香が倒れた私に気づいて、すぐに頭を起こしてくれた。


「大丈夫?


 倒れる、っていうよりは、地面に吸い寄せられるみたいに


 がくんって倒れてたけど大丈夫なの?」


綾香と英梨の顔は青ざめていた。


本当に…私の体に何が起きたんだろう?


…2人にはこの夏休み、楽しんでもらいたい。


嫌な思いをさせるわけにはいかない。


私のせいで最悪な思い出なんていやだもん。


2人の前では平静を装ったけど、2人がトイレに行ったりしたときにはやっぱり、不安の大きな波が訪れた。