「…っううん!何でもないよ、気にしないで~」


このごろ、体が不調を何度も訴えていた。


何か変なもの食べたかなぁ?それとも夏バテ?


まぁ…いっか!今日を楽しもう。


人通りが激しいので、お祭り会場である、大山川周辺は通行止め。


車の通りが少ない分、人の数は10倍、20倍にまで増えている。


からん、ころんと下駄の可愛らしい音が聞こえる。


「ねぇ、あれ、マミの気になってる人じゃない?」


英梨は、馬鹿にしたような目で私を見てきた。


私の顔はみるみる赤くほてってゆく。


「うん…竹内くんだよ」


─竹内ユウト。ひとつ年下の、サッカー部に所属している、イマドキ男子。


顔はピカイチじゃないけど、大人っぽいオーラにいつのまにかひかれていた。