私は気分が悪かったのも忘れてソファーに寝転がり最後にママの言った言葉の意味を考えては胸がズキンズキンなっていた。
ママが出ていってどれ位時が経ったか…パパ口を開いた。
『美波が俺に伝えたことは悪くない。ママはきっと今頃美波に言った事を悔いてるに違いないよ。だから深く考えないことだ。』
励ましてくれてるみたい。
パパの声を聞いて現実に引き戻され、今の置かれている状況を考えた。
ママは居ない。パパと二人っきり。
そう考えたら急に恥ずかしくなって、けれど嬉しくって。
パパの気持ちを考えた。
好きな女性に浮気をされたショックは計り知れない。
私が少しでも癒してあげたい。
そう考えてたら自然とパパの側に歩みより私はパパの頭を撫でた。
『パパ大好き。』
ぽかんと口を開けて不思議そうにパパは私を見る。
そして私は覆い被さるようにパパをギュッと抱き締めて『美波は星児君の事がずっとずっと大好きだったんだよ。』そう口走った。

あ…
無意識のうちに言っちゃった…
どうしよ…
今さら嘘なんて言えない。何言ってるの私は!
抱き締めた手を離してパパの顔を見る勇気もない。
テンパった。

でも、パパも私を抱き締めてきた。

ん?
は?
え?
ええっ!?
どういうこと?!
どういうつもりこれ??!

私の頭の中はハテナだらけ!

パパが優しく私を抱き締めていた手を離して私のアゴを片手で握りキスをした。
ファーストキス。
優しいキスがダンダンと熱くなり息が出来ない。
私は頭がぽーってなった。
そしてパパに身を任せたの。
優しく壊れ物を扱うように愛してくれた…



その日ママは家に帰らなかった。