涼華「櫻井!凛音が入ってくれたよ!」

涼華はそう言いながら櫻井の元へ走って行った。

櫻井「へえ…神村が…」

櫻井はどこか楽しげだった。
なによ、気持ち悪い。

私が軽く睨むと微笑まれた。
どうせろくでもないこと考えてるんでしょ。…やっぱあいつ嫌い。

歩夢「凛音?どうしたの?」

『へ?ううん、なんでもないよ(ニコッ)あ、私水川君のところ行ってくるね』

歩夢「うん!」

本当はこの輪から抜け出したいだけなんだけどね。ずっとここにいると気分が悪くなるわ…。

『水川君』

水川「あ…神村」

水川は少し頬を赤らめた。風邪か?お前。

『修学旅行の班のことなんだけど、私、水川君たちと同じ班になったんだ。よろしくね!』

まだ決まってないけどね。確か次の時間に班決めるんだっけ、あっぶな。
まあ、誰となっても変わらないだろうけど…。
というか私、どこの班にも入りたくないし。班行動とかどうでもいい。単独行動が一番。

水川「あぁ、よろしくな(微笑」

キーンコーンカーンコーン

『あ、もう時間。班決め、次だよね。またあとで!(ニコッ』

水川は微笑みながら軽く手を振ってくれた。
ここ教室だし、手を振る必要ないだろ。大げさ。

水川ってたまにおかしなときがあるよなー。ま、私には関係ないけど。



このとき櫻井が不機嫌そうな顔を浮かべていたなんて、私は知らなかった。