案の定、そんな生活を続けていくうちに、私は壊れた。
家と学校。あの時の私にはどっちも地獄で、居場所なんて無かった。
終業式終わりの教室でベランダに飛び出て、担任やクラスメートの前で飛び降りると叫んだ。
傷付いてるのは私なのに、苦しいのは私で、この人たちは何も関係ないのに、何で私がとやかく言われなきゃいけないの?
何をしたって言うの。あなたたちは何をされたって言うの。
あれは、お母さんが出て行ったちょうど一年後。
雪にすらなれなかった雨が降りしきる、クリスマスだった。
礼央の部屋に足を踏み入れて、鞄を床に放置するとそのままベッドに飛び込む。
消えたかったはずなのに、いざ死のうとしたら、怖かった。
何よりも、止めるために一人泣きそうな顔をしながら私を抱きしめた礼央の温もりを突き放せなかった。
だからもうやめたの。
死のうとすることも、傷付いたり苦しんだりすることも。
お母さんに捨てられたという記憶を塗り替えようと、家を捨てた。
捨てられたんじゃない、私が捨てたんだって。
そう思うことで精一杯、自分の世界を保ってるんだ。