「ただいまー。」

「おじゃましまーす!」

すると小走りで

「ルリちゃーん!!いらっしゃい!待ってたわよ。」

勇太のお母さん まきさんが出てきた。

まきさんはシングルマザーで
勇太のお母さん。
旦那さんは勇太が小さい頃に
亡くなってしまった。

まきさんはわたしを
可愛がってくれる。
だからわたしはまきさんが大好きだ。

「んー!!!まきさんのオムライスは最高!いつ食べても美味しい」

「ありがとう、そう言ってくれんのはルリちゃんだけ、ゆーくんは言ってくれないのよ。」

ゆーくんは勇太のこと。

「母さん聞いてよ、ルリまた朝帰り。まったく破廉恥だよな!」

まきさんはびっくりしていた。

「それほんとルリちゃん。」

「うるさいなぁ、ゆーくんは!」

「その呼び方やめろ。」

とキツく睨む勇太。

「ゆーくん!いつも言ってるでしょ?女の子には優しく!だから彼女と別れるのよ。」

勇太は慌てた様子でしっーと
口に指を当てる。

「え?また別れたの?」

勇太は数日前まで彼女がいたが
まさか別れたとは、知らなかった。

「ねぇ、なんで?」

わたしは勇太に聞く。

「ゆーくんが浮気したんでしょ?」

「してません。」

そう言って勇太はまきさんを睨む。

わたしはそんなまきさんと勇太の
やりとりがたまらなく大好きだ。

「勇太、誰か紹介しょうか」

わたしは勇太をからかう。

「あー、うるせ。お前、それ食ったら俺の部屋こいよ。」

勇太は自分の部屋に行ってしまった。

からかいすぎたかな?

まきさんは笑っている。

わたしも笑い返した。

そしてまきさんの作った
オムライスを頬張った。