その夜彼に思い切ってわたしは

「ゆうきさんってお仕事なにしてるの?」

上着を脱いでいる彼に話しかけた。

「だから、迷子センター」

彼は笑っていた。

わたしはほっぺをぷくっと
膨らませると
食器を片付けをはじめた。

「ルリ、拗ねたん?」

わたしは彼を無視した。

「ホスト」

え?
わたしは思わず振り返った。

彼は真面目な顔をしていた。

「ほんとに?」

彼はわたしの質問に黙って頷いた。

なぜか複雑な気持ちだった。

「ルリ」

彼はわたしの前に立つ。

「幻滅した?」

彼はわたしの顔を覗き込んだ。
そんな目で見ないでよ。反則だよ。
わたしは首をふった。

彼は笑顔になり
わたしの頭をポンポンしてくれた。

ーーードキッ