「漢字は?」

「カタカナでルリです。」

「いい名前だね、考えてくれたお父さん、お母さんに感謝しなきゃだね。」

心がズキッと痛んだ。
わたしは笑わずに

「はい。」

と答えた。

しばらくすると車が止まった。

そこは服屋さんだった。

「え?ごはんじゃなかったんですか?」

わたしは驚きながら聞いた。

「服、それしかないじゃん。」

そういって彼は車を降りた。

わたしも車を降り、彼についていき
お店に入った。

「いらっしゃいませ。」

そこは明らかに私がいつも買っている
服屋さんとまったく雰囲気が漂っていた。

彼は店員のもとにいき
なにか話していた。

「わかりました。」

そういうと店員が近づいて来て

「こちらへどうぞ。」

わたしは試着室にに通された。

そして、何十着という服を
試着しては彼に見せるのを
繰り返していた。