これだけの種類のおかずが入って、あのお値段ならいいよな。私も、今度頼んでみようか・・・

なんとなく宮前さんのお弁当を見ながら、そんな事を思っていた。

「水野君」

ボ~ッとしていたから、反応が遅れた。私、呼ばれたよね?

「・・・はい?」

宮前さんを見ると、宮前さんの目が泳いだ。

「その・・・最近、塚本さんと話した?」

「・・・はい。平日は、毎日話してます」

当然だと思うけど。宮前さんも見てるよね?

「あっ、いや・・・そういう事じゃなくて・・・プライベートで話した?」

プライベート?宮前さんの質問の意図がわからずに、小首を傾げる。

短く息を吐いた後、宮前さんは話し始めた。

「ほら、少し前、俺が水野君に・・・」

「ガチャ」と休憩室の扉が開いた。

「お疲れ~」

川村さんが、愛妻弁当を持って入ってきた。

「「お疲れ様です!」」