そして、またもや月曜日――

私は、先週までの自分が嘘のように、一心不乱にキーボードを叩いていた。パソコンに向かっている間は、一切、雑念は入ってこない。

土曜日、何かに区切りがつくと思って、塚本さんに訊いたのに、さらに訳がわからなくなってしまった。

あの後、フラフラとお気に入りの本屋に行ったけど、何を立ち読みしたのかよく覚えていない。

なんの目的もなく、ショッピングモールをうろうろして・・・あっ!“ 収穫 ”といえるのかどうかわからないけど。

店頭の試供品の香水をクンクンしていて、塚本さんが使っている香水を見つけた。たぶん、だけど・・・意外とメジャーなものだったのに、今まで出会ってなかったのかな・・・

別れ際、肩にポンと手を置かれ、塚本さんの香りを、フワッと感じた事を思い出し、顔が熱くなった。で、すぐに沈んだ。

否定も、肯定もされなかった・・・否定されなかったという事は、認めたも同じ?じゃあ、なぜはっきりと認めてくれなかったの?『私が思っている通り』て、“ キスの記憶 ”は、私の妄想じゃなかったっていう事?