「お昼のお弁当、今からでも追加できるかな?」

「本部に確認してみましょうか?」

「ああ、頼む」

高野主任と尚子さんが、そんなやり取りをしていたら、藤田さんが声をかけてくる。

「高野主任、尚!そろそろ球場の方に移動しましょう」

野球場の方で行われるAゾーンの第一試合、去年の優勝チームが出るそうで、それを見に行く人もいる。

「尚子さん、私が本部に確認しますよ」

「どうせ球場の前にあるんだから、大丈夫だよ」

「ちん!お前も一緒にくるか?」

私達のすぐそばまで来た藤田さんが、私を見下ろしながら言う。

「・・・いえ、私はいいです!」

“ ちん ” を受け入れた訳ではないが、言い合うのも面倒なので、冷たく返す。

そんな私の気持ちを察してくれたのか、尚子さんが、眉尻を下げながら言う。

「じゃあ、沙映お願い!藤田さん、高野主任、行きましょう」

「沙映ちゃん、じゃあ、よろしく!」

「了解です!」

私が頷くと、尚子さん達が離れて行く。

さてと・・・この間に、車にも行ってこようかな・・・