「二郎さん、気になさらないで下さい。僕は美香の許婚といえど、居候の身です。」



え………。



なんか嫌な予感……。


「こんなことしか二郎さんと幸子さんに恩を返せないですが、僕の気持ちだと思って、受け取って頂けると嬉しいです…。」


コイツが “僕” と連呼するときは、
いつもあたしが不利な状況になる……!



そして嫌な予感は的中するんだよ!


毎度、毎度さ!!



すると父親の頬に涙がッ!!



ゲッ!!



なんで泣くんだよ?!


「そんな風に考えていたなんて……。ヒロ君も馬鹿だなぁ。私達は家族じゃないか!居候なんかじゃないんだよ?」



しまった!!



うちのお父さん、無口で無愛想だけど情にはもろいんだった!!!


チラッと冴木野郎を見ると、
あたしを見て裏の顔でニヤッと笑った!




!!!