「平気って、何がだよ?」


あたしは冴木にそう一瞥すると、奴は急に黙り込み、そしてポツリと呟いた。




「……心配してたんだよ。お前のことを。」




……………………。



………………。




はい!?



今、なんて!??



誰が誰を心配したっていうんだ!!?



あたしは冴木の言葉が俄かには信じられず、ただただ奴の顔を穴が空くほど見ていた。


続けて冴木は言う…。



「最近、俺の帰りが遅くてなかなかサル子と話もできなかっただろ?だから、心配してたっていうか……。」




!!?




う、嘘だろ!?



こ、こ、こいつが!!?



この変態セクハラエロ野郎が、しかもあたしの心配を…!?



し、信じられん!



今度は開いた口が塞がらない状態になってしまったあたし……。



すると冴木は急に真剣な顔であたしを見つめてきた!


「俺は、お前を放っておけないんだよ……。嫌でも視界に入っちまう。」


そう言ってあたしの方へゆっくりと歩み寄ってくる冴木。


その瞳には気のせいだろうか?!


少し熱を帯びているように感じる…!!



「お、お、おい…。さ、冴木?なんかよくわからないけど、ひとまずさ、落ち着かないか…?な?」


そうあたしは奴をなだめる。




が!!





「……俺は、お前が欲しくてたまらない!」




「な、なんだって!!?」



そう言って冴木が一歩、また一歩とあたしに近付いてくる…!