「あれ?反応無しか?サル子。」



冴木はあたしの頬を指で軽く撫でてくる。



こいつ………


いったい…なにしてるんだ…??



つーか、まえもこんなような夢を……………。




って、あれ??




これって夢!??



「……………。」


「はぁ~、仕方ねぇな…。わかったよ!気は進まねぇが、目覚めのキスしてやるから、早く起き」




!!!




夢じゃねえ!!!



「寄るなあぁぁぁあぁ!!!!」




バチコーーーーン



気づけばあたしは冴木の頬に高速ビンタをかましていた……。



「ーーーつ!おい!!何すんだよ、サル子!!!人が親切に起こしに来てやったのにっ!!!」


「き、気持ち悪い…夢だった……。じゃなくて、気持ち悪い現実だった……。」


「なっ!!?てめぇ!!!またこの俺を、気持ち悪い呼ばわりする気か!?目覚めの良い朝に決まってるだろッ!!……ったく。」


と、冴木はなにやら不服なようで逆ギレを始めた。


「はぁ!?なんだよ!!!てめぇがいけないんだろ!!?またあたしの部屋に無断で入ってきて、しまいには、きき、き、 “キッス” しようとしてたじゃねえか!!!殴られて当然だ!この変態野郎ッ!!!」


ほんと、怒りたいのはあたしの方なのにさ!!



勝手にキレて!


わけわかんないし!!



すると冴木は体を起こすとベットから離れていった。


「まぁ、それくらいの元気があれば平気だな。」


と、冴木が振り返ってあたしを余裕たっぷりの笑みで見やる。