「…ありがとうございます、早川さん！あたし、早川さんに相談して本当に良かったです！！」


「ほ、本当！？良かった…！美香ちゃんの役に立てたみたいで！本当に良かった。」



早川さんは今日一番の笑顔をあたしに見せてくれた！


その笑顔を見て、あたしも作り笑いじゃなくて自然と笑みが溢れたんだ！



そしてあたしは思った。



きっと “大人” っていうのは、こういう事をいうんじゃないかなって！


だって、行き当たった壁に阻まれて向こう側の道へ行けなくて悩んでるあたしを、


早川さんは優しく手を差し伸べて連れてきてくれたんだからさ！



そして最後に早川さんは思いついたように、あたしを励ましてくれた。


「もしかしたら、美香ちゃんの知らないところで、美香ちゃんのことを見守ってくれている誰かがいるかもしれないし…！だから、あまり一人で抱え込まないでね？」


「は、はい！」




早川さん、



やっぱり優しいなぁ〜〜！！




あたしもこんな風に頼れる大人になりたいよ！！



そんな思いを胸に抱きつつ、残りの時間はお互いにこやかな時を刻んだ。




でも、あたしの中ではさっきまでとは明らかに違う胸のざわめきがあった！





“誰かが、見守ってくれている”




早川さんの何気ないその言葉。



それはなぜかあたしの心を大きく揺さぶった…！




そして、この時。



またもや “アイツ” の偶像が、あたしの頭の中に出てきたことに、


あたしは内心驚きを隠せないでいたのだった……。