そして上質なコーヒーを口に含んだ。


「ズーーーッ!!…あっ!美味しい!やっぱりここのお店のコーヒーは凄く美味しいですね〜!!」


ウンウン。と頷き、

お上品に小指を立てながらまたカップを口に運ぶ。



対して早川さんは、ますます顔を曇らせていく…!



うっ…。


や、やっぱり、


わざとらしかったかな…!?



すると早川さんが一度考え込むように視線をコーヒーカップに移すと、


再びその視線があたしに戻ってきた。



そして一言、早川さんはあたしを真っ直ぐ見て言った。



「私は、そのままの美香ちゃんでいいと思うよ?」



「…………え?」



今の言葉は早川さんの普段の柔らかい口調とは反して、ハッキリとした意志の強さが見えた気がした!


続けて早川さんはあたしに言ってくれる。


「美香ちゃんは普段通りで全然いいと思うの。その親友の子にも普通に接すればいいと思う。ただそれだけでいいんじゃないかな?」


「普段…通り……。」


「そう!いつもの飾らない、普段通りの美香ちゃんでいいと思うの!だって、美香ちゃんは何も悪くないんだから。堂々としていればいいと思うよ。」


「早川さん……。」



すると早川さんが目を細めて、あたしに温かい眼差しを向けてくれる…。



「大丈夫!時間が解決してくれることもあるから。それにその女の子もきっと今頃後悔してると思う…。美香ちゃんに酷いこと言ったことを。」



早川さんの一言一言が、あたしの心に響く……。



そしてそれは、

ぽっかりと穴が空いた所にストンと、優しくはまったのだった。