「あたしはさ!!正直、お前は本当は悪い奴じゃないかも!って、少しは思ってたんだよ!………最初は、チャラチャラしてて、軽くて、最低な男だと思ってたけどさ!!」


「……………。」




!!?



なんでだよ!



なんで何も言わないんだよ!!




あたしの中で哀しみはどんどん膨らんでいく……!



「で、でも、今はそれはちょっと、違うんじゃ……ないかな………ってさ!そう…思うようになってきたんだよ………っ。」


あたしは自分でそう言ってるうちに、胸の奥から熱い何かが込み上げてくるのを感じた……。



「そ、それなのに……っわけわかんないこと言って、あたしを怒らせて……!な、なにがしたいのか、さっぱり…わかんない……よ……っ。」



くそ!!


なに泣いてんだよ、あたしは!!!


こんな奴の前で……!!



今日のあたしの心はズタボロだった。



だからなのか。



普段はなんともない冴木の仕打ちが、いまのあたしには到底我慢できなかったのだ。