そして冴木はあたしを見据えると、


「安心しろ。近所の奥様方はこの俺が “ザエ様” として丁重にもてなしてあるから。だからどんだけ瓦を割ろうが苦情はこねぇよ。」


と平然と言ってのけた！！



「なっ！！！さ、冴木！お前まさか、近所のおばちゃんにまでテを出して……！！？」


と、あたしは冴木から二、三歩離れてたじろぐ！



すると冴木は半ば呆れてあたしを冷めた目で見る。


「アホ。俺は人の女に触手を伸ばすほど暇じゃねぇよ！ザエ様の意味を履き違えてんじゃねぇよ！まったく。これだから馬鹿を相手にしてると疲れる。」




カッチーーーン




あたしは本日二度目の沸点を越えた！



「〜〜ってめぇ！！いい加減にしろよ！！？さっきから好き勝手言いやがって！！！今のあたしの気持ちなんか知りもしないで、こんなふざけたマネして！！」


「……………。」



なんだよ！？



今度はだんまりかよ！！？



やっぱりあたしをただからかってるだけなんだ！！！



そう思ったら怒りは倍増し、そして不思議とだんだん哀しくなってきた。