入室してきたのは冴木だった!


「ったく!電気つけないなんて省エネかよ?今どき流行らねぇぞ?」




なっ!!?




この男は!!!



冴木はあたしの許可もとらず、パチっと部屋のあかりをつけた!


「な、なんで……グスッ、勝手に……ヒック、入ってくんの……っ!」



大声をあげたくても大洪水真っ最中の今のあたしには辛い。



しかもコイツ、ノックもしないで入ってきやがった!!


なんてふてぶてしい奴ッ!!!



さっきまで悲壮感たっぷりのあたしに、ジワジワと怒りのバロメーターが上がってくる…!


そんな無遠慮冴木は部屋の中央まで来ると、ドカッと偉そうに腰を下ろした!


「で?なんで飯食わないんだよ?お前の好物らしいぞ。幸子さんが言ってたけど。」




むっ!!




なんだよ、コイツ!!



無断で入ってきたかと思えば、堂々と居座っちゃってさ!!



しかもあたしがこうして泣いてるのをわかってるくせに、訊いてくるか?!普通!!


その冴木のデリカシーの無さに腹が立ってくる…!