「優子!主将は、まだ彼女と別れてないんじゃねぇのか?!それに、周りの奴らも何も言ってなかったぞ!?もしもさ、主将がまだ彼女と付き合ってたら、 “二股” になっちまうだろ!?そんなの」



「…だったら何?」




……………………、




……………、




え!!?




突き刺さるような優子の声と共に、
冷たい眼差しがあたしに向けられていることに気が付く!


「二股だったら、恋愛なんかしちゃいけない。そう言いたいの……?」



ゆ、優子?!



いったいどうしちゃったんだ?!!



あたしは優子の突然の豹変ぶりに我が目を疑った!


「美香。さっきまでは、 “恋愛は自由” とか言ってたくせに、今度は止めるなんて矛盾してるんじゃない…?」


「へ?!いや、あれは、 “二股OK” っていう意味じゃなくってさ、」


「二股、二股って言ってるけど、結局は先輩のことやっぱり好きなんでしょ!?……だから必死になって止めるんでしょっ!!!!!」




!!?



その時、優子の叫び声があたしの体を貫いた…!!


優子は目を怒らし、あたしを睨みつけてくる!


「そうじゃないよ!!優子、誤解すんなって!あたしはただ単純に、二股は良くないって事を言いたかっただけで……!」



すると、優子は驚愕の一言をあたしに残し、この場を後にする……!




それは……、




「前から思ってたんだけど、美香のそういうお節介で善人ぶるところが大っ嫌い!!!もう私に話しかけてこないで!!」



今までのあたしたちの友情を破壊し得る、そんな非情な本音だった……。