主将の姿が会場に入るところをあたしは見届けると、少し距離のある優子へと視線を戻した。



「優子……。あ、あのさ…、」



“渡辺主将と付き合ってるのか?”



そうあたしは優子に訊こうとした。




でも。




「ーーっごめん!!!美香、ごめんね!!」


優子になぜか謝られて、訊くことを阻まれてしまう。




な、なんで謝るんだ?!


なんであたしに謝ってるんだ??!


ほんの少しだけパニックになるあたし!



それでも優子はあたしに頭を下げてひたすら謝り続けている。


「ごめん……!本当にごめんなさい……!だ、黙ってるつもりはなかったのっ!!本当に美香には悪いことしてると思ってた!ごめん………。」


「ちょ、ちょっと待てよ優子!頭を上げろって!」


あたしはそんな優子の姿を見ていられなくて、咄嗟に止める!



優子は静かに、ゆっくりと体を起こした……。