「太助、アタシもそろそろ行くわ!皆の準備も手伝わないとだし!一応マネージャーだし。」


「わかったから早く行ってこいよ!みんな待ってるぞ!」


「もう!冷たいのね?」



そんな会話を繰り広げながら主将と謎の太助呼び女は去っていった……。




「な、な、なんだったんだ……?あの太助呼び女の子。しかも……主将に向かって好きとか……。」


と、取り残されたあたしは一人そんなことをブツブツと言っていた。



「橘?お前、なに一人でさっきから喋ってんだよ??」


「ギャアッ!!………って。せ、先輩!」


あたしは背後にいる柔道部三年の男子の先輩に気がつかなかった…。



み、見られてたなんて……。



あたしの独り言、聞かれたかな?!




………って、まさか!



そんなことは無いよね!?



ハハハッ。



「 橘、 “太助呼び女の子” ってなんのことだよ??」



ゲッ!!



バッチリ聞かれてるしっ!



「い、いや、べつに!!な、なんでもないですよ?!!」


と誤魔化してはみるが……。