「部長……!」


あたしは部長の持ち前の明るさに心がホッコリと温かくなった。



「それにさ、…………どうせ冴木くんがまた橘ちゃんにちょっかいでも出したんでしょ?」


と部長がニヤリと笑って小声であたしに喋ってきた!



「ゲッ!!?な、な、なんで、」


「あ!やっぱりね~。そうじゃないかと思ったよ!冴木くん、橘ちゃんのことやっぱり気に入ってるのね~。」


と、部長がウンウンと勝手に納得している!!




ま、まずい!!



ヘタしたらあたしと冴木が許婚だって部長にバレちまうっ!!




それだけはなんとしても避けなければっ!!



「あ、あの、部長っ!!別にあたしと冴木はなんも無いですから!赤の他人ですから!!だから、」


「まあまあ、いいじゃないの! “嫌い嫌いも好きのうち” っていうことわざがあるくらいだしね~。」


と、またもや部長は勝手に自己解釈していた!



「部長っっ!!あんな変態野郎とあたしの間では恋愛感情なんか一切無いんですからね?!」


とあたしは必死になって部長に訴えるが……。



「オッケー、オッケー!わかってるから、橘ちゃん!ノープロブレムよ!」


と笑顔でサラリとかわす部長。




いや、全然わかってないって……。