「お母さんッ!!!見てよ!!冴木があたしに痴漢してくるんだ!!助けてくれッ!!」


と、あたしは母親に必死に訴えた。




のだが……。



「美香!!あんた、こんな時間まで何処をうろついてたのよ?!もうこんな時間じゃないッ!!!」



ゲッ!



そっちか!!



母親は鬼の形相をしてあたしを睨んでくる……。


「いや、あの、友達と会ってて遅くなっちゃってさ~、」



って!!



今はそういう問題じゃない!


「そ、そんなことよりお母さん!!冴木があたしに痴漢行為をしようとしてたんだ!!!」


と、あたしは言い訳そっちのけでヤツの正体を明かそうとする。



すると母親もやっと冴木の半裸姿に気づいたみたいで、


「あらっ!?まぁ~〜やだ!ヒロ君ったら……!!ちゃんと拭かないと風邪ひいちゃうわよ!」


と、急に顔を赤らめて冴木の心配をする我が母親…。




ちょっと待て!


なぜ娘であるあたしの心配はしない?!!


「ちょっと、お母さんってば!冴木があたしに痴漢を、」


「もう!落ち着きのない子ね~!ヒロ君がそんなことするわけ無いじゃない!凄く誠実な子なのに。」



と、猫かぶりの冴木を全面的に信用してて全くお話にならない!