「ふ~ん……。“親友の好きなヤツ” を取った罪悪感はあるんだね?」


「なっ!!!」


「ハハッ……そんなに驚くこと?優子ちゃんもアイツを見てれば嫌でもわかるでしょ?優子ちゃんの親友が、優子ちゃんにさっき手を出した男のことを好きなことくらいさ!」


「それ…は……、」


「だったら、…………余計タチ悪ぃオンナだな?」


と、ヒロの目が急に鋭くなる!!!



そして瞳の奥から怒りの感情が見え隠れしていた!!



それを見た優子は、ヒロの本性をこの時初めて知ったようで声も出ない……!


「さ、さえ…き……せん…ぱ」


「あ。その声で俺の名前呼ぶの辞めてもらえる?…イラつくから。」


「ーーっ!!」


「それにさ、アンタの親友に、さっきの出来事を俺が話すとでも思ったの?……甘い考えだな。言えるわけねぇジャン? “好きな男が親友の身体をまさぐってた” なんて、そんな傷つけるような事を、」



「っやめて!!!!」



気づくと、屋上で金切り声をあげてしゃがみ込んでしまった優子の姿があった…。