すると一人のオバちゃんがあたしに歩み寄ってきた!


「サル子ちゃん……だったわよね?ごめんなさいね!彼氏のこと悪く言っちゃって!!」



ゲッ!



まだそんな事言ってる!!



つーか“サル子ちゃん”って!!


涙はとっくに収まってたので、あたしは全力で否定するッ!


「あの!アイツはべつに、あたしの彼氏でも無いし、」


「いやだぁ〜!!そんな恥ずかしがらなくてもいいわよぉー!二人とも本当に気持ちのいい子たちよねぇ〜♪お・似・合・い!」


「うぇ!??お、お、お似合い!??」



ガーーーン



あんな公共の場で急にミュージカル始める奴とあたしが……!?



まさかの、




お似合い……。


「結婚式の時は呼んでちょーだいねッ!!オホホホホホ」


「けっ、けっこん!!?」



ガーーーーーン



そこまでお似合いなんだ……。


あたしはこの時、ショックを隠しきれなかった。




と、同時に。




な、なんだろ?!


ちょっと熱っぽいな……。



あたしの頬は軽く染まっていたのだった。