「それじゃ、いってきまーす…。」


あたしは母親の自転車を拝借して冴木を探すことに!


「どうせその辺の女をひっかけて遊び歩いてんだろうな~。はぁ~。めんどいから近所一周したら帰ってこよ。」


嫌々漕ぎ出したペダルは随分重く感じた。








………しばらく自転車をあてもなく漕いでいると。


ピーポーピーポー。




ん!?


なんだ!?


通りに出てみると、救急車やパトカーが何台か停まっていて、野次馬が殺到していた!!



事故……かな?



すると野次馬の中の数人のオバちゃん達が大きな声で騒いでいた!


「ちょっと、ちょっと!!大変よッ!!!高校生がダンプカーに轢かれて下敷きになったんですって!!」



え……?



高校生………?


その言葉が頭の隅に引っかかり、あたしはそのオバちゃん達を凝視した!!


「ダンプカー!!?何でダンプカーに轢かれたのよ?!」


「なんでもその運転手!!居眠り運転してたみたいなのよッ!!!それで歩行者の方へ突っ込んでいったらしいわよ!!」


「やだぁー!!…それで怪我人はどのくらいいるのよ!?」


「幸いね、男子高校生一人だけで済んだみたいなの!!でもその高校生、酷い重体みたいなのッ!!」


え!!!


男子高校生?!!