冴木、まだ意地張るつもりかっ！？？


どこまで負けず嫌いなんだよっ！！



「で、でも！！」


“もういいから！！”


あたしはそう言おうとした！




すると冴木は、これまで聞いたこともないくらいの怒気ある声であたしの言葉を遮った！！


「っるせえ！！俺が食いてぇんだよッ！！！お前が俺のために一生懸命作ってくれた飯なんだろ！！？」


「……っ！」




冴木……。



あたしの手を掴んだ冴木の手は、とても大きくて温かかった。



「邪魔しやがったらぶっ飛ばす！！それに！俺には正直この飯はマズイとは思えねぇ！だから食べんだよ！！」



そう言うと、

冴木はあたしの手を離してまた食べ始めた……。





なんだろ……。



冴木のせいで胸がいっぱいだ…！



あたしはしぶしぶまたもと居た席に戻る。


「ん。やっぱ美味い。猿も温かいうちに食え。」


「…………うん。」



あたしは本当に美味そうに食ってる冴木を見て、
いつの間にか目頭が熱くなってしまった……。



「冴木。」


「なんだよ、猿？」


「……ありがとな！」




心が温かくなってゆくのは、料理のせいか、それとも冴木のせいか？


あたしはこんなに嬉しい食事は初めてだった。