「ゆ、優子!もう行こっか!あの、失礼します…。」


優子の背中を押して、すごすごとその場から立ち去る…。


「え?ちょっと美香?!」


その時だった。




「またね。お猿ちゃん」




は?!



猿っ?!!


小さな声だったけど、あたしにはそうハッキリと聞こえてきた!!


バッと振り返ると、さっきの金髪の奴がこっちを見て笑っていた!


さっきの笑顔とは明らかに違う!


口を歪ませて、見る目は小馬鹿にしたような、そんな感じだった。



アイツ、やっぱり猫かぶっていやがったな?!!



あたしの勘は当たっていた。



「あの野郎…。二度と現れんな!」



そんなあたしはあの金髪野郎に敵意むき出しだった。