あたしはこの時、涙が止まらなかった……。



死んだ爺ちゃんのためじゃない。





コイツが、


………冴木があたしに、


たくさんの優しい言葉をかけてくれるから……!



そしてその言葉は、あたしの長年の心の傷を塞いでくれたから……。



「冴木………ありがとな……………。」


「っ。べ、別に?!俺はただ思ったことを口に出しただけで、感謝される覚えはない!」


「………あっそ。ズビッ。」


「あ!てめぇ!!俺ので拭くなッ!!!きたねぇ!」


「ブハッ!いまスゲー顔してやんの!!学校の女子に見せてやりてぇな!!」


「んだと?!この猿ッ!!!」




あたし達はその後もしばらく言い争っていた!



でも、なんでだろ?



てめぇとこうして喧嘩すんのは、嫌いじゃない。



そう思えた夜だった……。