家に帰り、すぐお風呂に入った。

顔を湯船に半分つけてブクブクと泡を作る。

あんな言い方しなくたっていいじゃん。
あたしが悪いけど。


もっと優しいかと思ってた。
もっと和やかな人だと思ってた。


けど、あんな無愛想で!あんなオラオラで!

「もーーーー!いやーーーっ!!!」


ギャーギャーと風呂場で騒ぐあたし。

するといきなり風呂場のドアが開けられた。

「うるさいわ、ボケッッ!!!!」


あたしの騒ぎに負けずぐらいの大声で開けたのはあたしの兄、櫻木 洋(サクラギ ヨウ)だった。


「きゃーーー!おかあさーーーん!
お兄ちゃんが、お兄ちゃんがー!!!」

いくら妹でも女なのに!
もう、ほんと今日はついてない。

お母さんがお兄ちゃんを連れて行ってくれた。

お兄ちゃんはあたしを弟と思ってるんじゃないかってぐらい、いじりたおすし、
こういう場面でもガツガツちょっかいを出してくる。

まったく、もう。

その日は何も考えたくなくて、
すぐ寝た。


翌日、知沙に昨日あった出来事を一部始終話した。